研究テーマを考える

卒論を始める時、まずは研究のテーマを決めないといけません。
研究者と言われる人の研究がどんな流れで始まるのかは、私は分かりません。
そのため、ここでは卒論レベルの話をしたいと思います。
はっきり言って卒論のテーマを決める際は、自分の興味関心が全てだと思います。

例えば、こんな感じ

例)
  • 高校時代に友人関係で悩んだから、友人関係の研究
  • 自分がメンヘラで、付き合う人もメンヘラばかりだからメンヘラの研究
  • 自分が完璧主義だから、完璧主義の研究
  • ドラマを見てプロファイリングに興味を持ったから犯罪心理学の研究
  • 読書が好きだから、読書体験の研究

例はすごい雑に書いているので漠然としていますが、実際の研究は進める過程でもっと細かいものになっていきます。例えば友人関係の研究をするとしたら、バランス理論を使ったりしながら友人関係におけるコンフリクトへの反応など細かく仮説としていきます。
でもそれは最終的な話で、研究の最初は自分の興味のあることを本や論文などを漁りまくってみることです。その中で自分が特に興味を持った部分を進めていくと「ここまでは分かってるけど、ここからはまだ分かっていないなぁ」なんて部分が見つかったり「この2つの理論や先行研究は矛盾しているように見えるけど、ここには他に〇〇も影響しているからこうなったんじゃないかな」なんてのがポツりポツりと出てきます。
その中で自分が特に関心のあることや「これが分かったら価値があるな」ということを研究するといいと思います。ここでの「価値がある」というのは、より核心的ことであったり研究の前提条件となっていることを再定義することだと思います。そんなに深く考えなくても、実際に誰もやっていないことなら、やる価値はあると思います。そして、それがよりユニークだったり新規性があると面白いねって言われるわけです。まぁ、そんな簡単に良い結果は出ないんですけどね。

そういえば昔、大学の教授が良い結果が出ないと学生が言った時に「そんなに簡単に結果が出たら、失業しちまうよ。こっちは何十年もやってんだから」とボヤいていたことを思い出します。
ちなみに、ここでは有意差が出たり関連が示されるような分析結果が出ることを便宜上”良い結果”と表現していますが、実際には差や関連がなかったということも研究の成果としては価値があります。

エジソン曰く「私は失敗したことがない。ただ1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ」

綿密に計画・実行された研究において関連が見出されなかったら場合は、それも十分に知見として価値があるのです。実際には、そのような論文は学会誌などには乗らないらしいですが...。心理学でよく用いられる基準として、5%水準があります。5%水準で有意という事は、逆を言えば20回やれば1度は有意になってしまうということです。全く同じ内容の19回の有意差の出なかった未発表論文と有意差の出た1回の発表論文があると、それは有意な関係として先行研究の一部になってしまいます。こう言った事象は、アカデミックバイアスと言ったりするらしいですが詳しい話は別の機会にしましょう。

そんなこともあるので、一介の学生が卒論で良い結果が出なかったからと言って凹む必要はないんです。自分もうまくいかない1万通りの1つを見つけたとでも思っておけば良いんです。もちろん綿密な手順を踏んでの話ですが…

ただ1つ注意点としては、卒論は決して簡単な作業ではないと思います。
心身ともにある程度の負荷はかかります。
それに耐えられるだけの動機があることを卒論のテーマにすべきです。
これは、私も恩師に強く言われたことです。
卒論は大学院にでも進学しない限りは半分くらいは自己満足の世界です。
だからこそ、自分がやりたいことを悔いの残らないようにやることが最終的には大切になります。
そんなことを考えながら、卒論のテーマを決めて、進めていくと良いかと思います。


本当は先行研究をいっぱい調べて〜って流れがあるのですが、今回はそこを割愛させて頂きます。卒論をやる方は、そこをきっちりやった方が良いと思います。先行研究を調べるところをしっかりやっておくと、問題・目的を書く時に過去の自分に感謝したくなります。
先行研究を調べたら、しっかり記録として残しておくことが大切です。読んだ先行研究を図示やキーワードでも良いのでメモとして残しておくと、卒論で問題・目的を書く時に簡単にアウトラインが作成できます。オススメはEvernoteを活用した方法です。
Evernoteの有料版ならPDFの中の文字まで検索対象にしてくれるので、キーワードしか思い出せない時も論文の検索が容易です。また、先行研究を一括で保存できますし、荷物も増えない、タグをつけたりメモを残すこともできるので、私なんかはEvernoteにゾッコンです。卒論を機に、Evernoteは有料会員になってしまいました。先行研究の管理にはいろいろな方法があると思いますが、早めにコツコツ動いていきましょう。先行研究の調べをしっかりしおくと、卒論を実際に書く時に過去に頑張った自分に感謝したくなります。笑

そんなこんなで、自分の興味のある分野に関してどんどん先行研究を調べていきます。
論文は数を読むと、慣れてきて理解も早くなるので挫けず頑張りましょう。
次回は、『仮説を考える』です。

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